打てば響く

ドラム・パーカッションを主に演奏する書き手の小説や洋楽英詞和訳など執筆活動記録。また音楽活動とそれらを継続させるための健康活動を記録しています。

【個人練】【リズム研究】ゼロ年代邦楽グルーヴ・フレーズ再考🤔【Japanese 2000s groove vol.1 🥁】

 

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こんにちはクリヤマです。先ほどコンビニでプリンを買ったらスプーンを入れ忘れられました。

「素手で行くしかないのか……?」と思い巡らせたのも今となってはよい思い出です。

 

 

さて、「歌は世につれ世は歌につれ」とは、昔からよく言う慣用句です。

しかし、「ほんとにー? さいきんはそうでもないんじゃないの〜?」という意見も昨今ではよくみられる風潮です。

 

反対意見もよく理解できます。某動画サイトを利用してはるか昔の音源に容易にアクセスできるようになった昨今、むしろ過去に生み出された曲の方が新鮮で耳に馴染む、という場面も、私自身多く遭遇しています。

 

いわゆる「売れている」とされる曲も、共感が数字に結びつくマーケティング的な側面や、かつて圧倒的な支持を受けた文体を保持する人がトップにいる状況が変わらない以上、受動的にきこえてくる歌に出てくる歌詞や文体が大きく変わることはないでしょう。

軸は変わらず、「見た目が違う同じものが提供されているディストピア!」、という状況も、あるところにはあるのだろうな、とも考えます。

 

WEBの発達によって、いわゆる「消費するセンス」の均質化・あるいは相対化が進行しているのではないか、という懸念があります。

むしろ受け手に多様性・多義性を受け入れる素地が育まれる余地はあるのだろうか、という面で、身をつまされる思いです。

 

こちらのカテゴリでは、自分がドラムという楽器に慣れ親しんでいるということもあり、ビートの面から時代を追って検証作業をしてみようと考えています。

 

グルーヴとはアナログかつファジーです。私自身いまだ未熟なプレイヤーであるのを差し引いても、〝グルーヴ発生装置〟という側面を持つドラムという楽器は本企画にとって適切な楽器だとも思います。

 

これもよく言われますが、「好き・嫌い」「良い・悪い」「面白い・つまらない」は一致しないものです。

 

とりあげる曲はむろん自分にとり「好き」なのですが、それらの警句を踏まえたうえで、一歩引いた目線で演奏して学びつつ、記事作成を進めていこうと思います。 

 

CONTENTS

 

I play japanese 2000s groove vol.1

Wack Wack Rhythm Band『Wack Wack Rhythm Band feat. Rhymester From the Album』 [2003].

 お茶の間の有名曲ではないかもですが、ゼロ年代の邦楽を再考する上で外せない名曲としてこちらが挙げられるのではないかと。

リリース後こぞってDJのかたがたがスピンしてたように記憶しています。

 

このころのRHYMESTERは『ウワサの真相』『ウワサの伴奏』と他バンドとのコラボレーションを意欲的に行なっており、その延長線でドロップされました。

 

ラテンのビートに宇多丸さんとMummy-Dさんのラップが絡み、サビではシングアロングできるアンセム。

リリックもパーティーピーポー賛歌でハッピーかつ泣けます。

筆者は決してパリピではありませんが、祭りの最中って終わってからのむなしさも同時に思い出させるんですよね。原曲も聴いてみてください。よいのでぜひ。

 

チャットモンチー『シャングリラ』[2006].

 

チャットモンチー、サウンドもさることながら、橋本絵莉子さんの歌詞の言葉の選び方が品があって好きなんですよねえ。この曲は当時ドラムを担当していた高橋久美子さんの作ですが……。

 

ハイハットのオープンクローズを繰り返しながら、右手で四分音符の裏で刻み、左手で2拍・4拍にスネアでアクセントをつけるとこのビートとなります。

 

この曲の始まり方はキックの4つ打ちからはじまり、ベースが入って順々にビートが構築されていく構成となっています。聴く者に高揚感を聴くものにもたらす綺麗な流れです。

 

ゼロ年代邦楽にて、キック4つ打ちのハイハットオープンクローズ裏打ちが流行るようになったのってこの曲の影響力が大きいんじゃないかと個人的には考えています。

 

無機質で機械的なサウンドとなり音抜けも抜群。

ハイハット裏打ちでのキック4つ打ちビートはもう少しテンポを落として、ベースラインをオクターブにするとディスコビートとなるスグレモノです。

 

反面、派手ですので歌の邪魔になったり、「またこのビートかぁ」って思われたりする場合もありますので乱用は危険ですね。

 

世代的に「サビでハイハット裏打ちになるっていったらラルクのSTAY AWAYやろ!」といいたい部分もありますが割愛。

 

 

現在ティーンの方々にはKANA-BOONのこの曲のほうが馴染み深いかもしれません。 

 

 

マキシマムザホルモン『絶望ビリー』 album from『ぶっ生き返す』[2007].

 

 

90年代後半から2000年代にかけて、レイジアゲインストマシーンやコーン、リンプビズキットといった、ヒップホップとヘヴィメタルを融合させた「ラップメタル」というジャンルが派生しました。

日本国内でもその波は大きく影響を受け、「ミクスチャーロック」として席巻していた時期がありました。

実のところをいうと、筆者も高校生のとき7弦ギターと5弦ベースの使い手と一緒に演奏していた時期があります。

 

『DEATH NOTE』のアニメ第2期EDテーマとして有名な『絶望ビリー』ですが、動画で1分間だけ演奏した中で、リズムパターンの変化はおよそ6回。

 

今回カバーしてみて、我々はミクスチャーロックを通過したあとに生み出された突然変異のキメラだ、異形の者だ、と、意識的に表現しているのに改めて気づかされました。

 

MVでは自覚的な表現をしており、当時もその知性に圧倒されたのを覚えています。

 

こちらでは英詞の空耳としての解釈、が載っててたいへん興味深いです。

dic.nicovideo.jp

もしこの英詞解釈も視野に入れて歌詞を制作しているのならば……。と、曲構成を含めて凄まじさに戦慄しました。

 

相対性理論 『スマトラ警備隊』[2008]

 

相対性理論の『シフォン主義』を革命的な名盤と捉えている人は多いでしょう。

 

1曲目のこの曲『スマトラ警備隊』はストレートなビートでありながらギターが縦横無尽に駆け巡り、ブレイク含めて構成に無理も無駄もない。ただただ舌を巻くばかりです。

 

この曲を筆頭にジョニー・マーを思わせるギタープレイが特徴的なバンドですが、意外にも完全に直球のロックナンバーはこの曲を含めても多くはありません。

 

アルバムによってビートも抜本的に変化していく、そうした聴き方をしても面白いバンドの一つであるのは間違いないでしょう。

元メンバーが所属している古都の夕べ、進行方向別通行区分もぜひみてみたいものです。

 

ちなみに余談ですが、『シフォン主義』2曲目の『LOVEずっきゅん』は太鼓の達人にも収録されているそうです🤔

 

#japanese2000sgroove vol.1 🥁

I played famous pop song drum intro and basic beat in Japan 's 2000' s.

I am doing it for my own instrument practice recording.

I am happy if people other than Japanese can enjoy it together.

 

次回は2018年までのテン年代の代表曲を録画・録音するとともに、聴き直して再考していきます。

そのころ自分はソウル・ファンクやMPB、そしてパワーポップに傾倒していたため、リアルタイムできちんと聴けてはいなかったのではという反省とともに……。思えば節操ないな……。

きちんと向き合っていきたいものです。

 

ちなみに冒頭で買ったプリンは自宅で自分のスプーンでちゃんと食す用にしました。きちんとスタッフが美味しくいただきます😭