打てば響く

ドラム・パーカッションを主に演奏する書き手の小説や洋楽英詞和訳など執筆活動記録。また音楽活動とそれらを継続させるための健康活動を記録しています。

【銭湯・(ガスストーブ)サウナ】「千代の湯」(中野区・中野)木桶の配置が美しい。〝受け継ぎ守る〟正道な銭湯さん。

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どうもこんにちは、クリヤマ(@kuriyama1youth)です。わたくしごとで恐縮ですがさいきん「温泉ソムリエ」になりました。

 

「ちゅうとはんぱはやめて」って寺山修司から影響うけたので……!

 

温泉ソムリエの件は別記事にするべき案件ですが、体系的に学習していくという気持ちをここに報告しておきます。

今後そうして得た知識を踏まえた上であくまで「感想ベース」で当ブログにて銭湯さんの紹介記事を書きたいと考えています。

 

 

さて、銭湯が好きとか話すと、「どんな効果があるの?」とかよく聞かれるんです。

確かに汚れを落とすだけなら自宅風呂でもできますし、近年なんかは「サ道」に代表される効果もよく耳に入ります。

でもなんというか、「ととのう」に代表する即物的なところだけが銭湯の魅力じゃないとも思うのです。

 

今回は2019/5/24夜入店@「千代の湯」(中野区・中野)さん感想をご紹介させていただきます!

  

CONTENTS

「東京型銭湯」定番スタイルの格好良さが光る

 

JR中央線「中野駅」南口から大久保通り、それから左に折れて住宅街に入って約10分。
または東京メトロ丸ノ内線「新中野」駅から北東方面へ約7分の立地する「千代の湯」さんは、千鳥破風の威厳ある門構えが特徴です。

 

入湯後、単純に佇まいが外観も中身も美しいところだなぁ……、と思っていたら、やはりテレビや映画のロケ撮影地としても有名だそう。

 

創業は1951年と古く、番台型で男湯と女湯が分かれています。
入り口で暖簾をくぐったところで、「一の湯」さん同様、屋根を残しております。きっと補修の際に残していたのだろう、と気付かされます。

  

脱衣所ではタイムトラベルした気分に。季節の花がきれい

 

脱衣所は濃茶基調の色合い。


中央のついたての役割を果たすロッカーの上に色あざやかなアジサイの花が生けられており、(もうすぐ6月なのだ)、と気づかされました。お店のかたの心配りに気付かされます。

 

さて、ここ2、3ヶ月ほど銭湯活動を記しておりますが、ここまでタイムトラベルをしているような気持ちになったのは初めてかもしれません。

 

壁際に置かれていた2台のマッサージ機はオールドタイプで、「フジ自動マッサージ機」と書かれていました。おそらくはフジ医療器製、リンクページよりは新しいものだと思いますが、機械遺産に指定されているものと同じブランドのようです。1回20円。

 

ベンチは茶色で革張りでふかふか。
壁際のロッカーの上には常連さん用でしょうか、お風呂グッズがそれぞれ洗面器やカゴに入れられ置かれています。

 

中央には振り子タイプの柱時計がかかっており、ゆっくりと時間を示しております。

 

縁側というのでしょうか、中庭に出て入浴後に外気浴ができるようになっておりました。これからの季節、夏場は特にいいかもですね。

 

 

ペンキ絵は晴れ晴れとした西伊豆の富士山絵、女湯は軍艦島

 

浴場へ。

まずは風景から。男湯の富士山のペンキ絵は西伊豆・雲見の風景画で、「23.12.24」と日付がつけられています。


平成表記ですが、作者は丸山清人絵師だそう。

女湯の方にはご主人の故郷が能登であることから見附島、別名「軍艦島」と呼ばれる景色が描かれているそうな。

 

ペンキ絵の下のクリーム色のタイルは洋画風のマーガレットがプリントされています。


浴槽タイル色は緑。女湯との区切りには白の背景に黄緑の葉の模様が大胆に描かれています。

 

珍しく木桶を用いた銭湯さんです。手入れが難しいと聞きますが、綺麗に盛られて並べられており、入浴中なんどもそれを直す従業員さんの姿がみられました。

 

シンプルで十分に心地よいお湯加減

 

立ちシャワーは2種類。黄色の大判プラスチックで区分けされ、それぞれ冷水と温水に分けられています。
水風呂の用意はありませんので、こちらとの往復で交互浴が捗りますね。

 

浴槽は大きな一つの浴槽に区切りが設けられており、ジェットの座風呂、深風呂、強い気泡風呂と3つに区切られておりました。42℃に設定されており、申し分のない気持ち良さです。ジャグジーバイブラは赤いLEDの光があり、これは流行りなのかな? と思わされます(「杉並湯」さんにもありました)。


また、あとから取り付けられたのであろう、低温ガスストーブサウナもありました。
こちらはいわゆる「サウナ」を求める方には不向きだと思われますが、箸休めとしてちょうどいい塩梅にしてくれます。

 

浴槽の上には手書きの注意事項が平仮名を主体にして書かれています。たぶん子供や外国人が読みやすいように、という配慮でしょうか?


座って湯に浸かりながら、改めて天井が高いっていいなあって思わされました。

 

普通のこと、なのかもしれません。
でも、いいお風呂です。

 

「変わらない」「維持し続ける」という道

2005年におこなわれた2代目へのインタビューによると、


「なるべく昔ながらの銭湯の形を変えないでやっていきたいと思っています。梁や柱等主要な構造材は、母の実家(能登)の山から切り出した材を使っています。親から受け継いだものですし、このままを大切にしたいんです。」

出典:

千代の湯(中野区) : 東京銭湯入浴記


銭湯に限らず、建築物の老朽化に伴いリノベーションが進む昨今、「守る」姿勢も一種の美意識だよな、とおもいます。


たとえばサービス業などは、「親・子・孫と三世代にわたって親しんでいただく」という謳い言葉がよくなされますが、現実問題では難しいのではないでしょうか。

 

大きなくくりで「ヘルスケア」として、競合のサービスはいくらでもありますし、時代とともに柔軟性を発揮しなければならない、と考える経営者が多いと思いますので。

 

その中で「千代の湯」さんは例の木桶の件といい、「変わらない」「維持し続ける」という道を選んだという矜持を感じます。


自分たちの職場である「千代の湯」はとても良いところなんだ、という仕事に自負を持っていないとできない姿勢なのではないでしょうか。

 

学ばされます。

 

昭和歌謡が似合う美しい銭湯

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入浴後、茶色い革張りのベンチで呆けていると、おそらく店主の趣味だと思うのですが、昭和歌謡曲のBGMが脱衣所のなかでずっと流れてます。


こうしたときに「あの曲だ」って分かるのは(多くの歌を聴いてきていた人生で良かったな)と、ちょっとだけ思うひとときですね。

 

みなさまも機会がありましたら足を運んでみてください。

ぜひとも( ´ ▽ `)

 

銭湯概要

住所:東京都中野区中央3-16-12
営業時間:15時45分〜24時
定休日:土曜
料金:
大人 460円(税込)

中人 180円(税込) 

小人 80円(税込)

備考:ガスストーブ低温サウナ無料

 

【過去記事】近隣の銭湯さん( ´ ▽ ` )  

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