【銭湯・サウナ】「昭和湯」(中野区・中野)太陽へ向かう壁画、そして漂うダンディズム。
JR中野駅から歩いて約15分、バス利用にて「野方警察署前」下車、徒歩3分。
立地面、そして住宅街である場所柄、地元の方がよく利用されるだろうという予想を立てて参りました。
2019/03/19@昭和湯(東京都・中野)さん。
CONTENTS
外観や内観、ご主人から感じるダンディズム
外観は宮造りの屋根から、その名の通り昭和のころに改装したのだろうな、と伺えるモダンな折衷建築。
下駄箱のふたは緑色の半透明プラスチック製で、茶色基調の中に鮮やかに浮かび上がる配色の見事さとともに履物を間違えないように、という機能美も兼ねています。
中に入ると、「いらっしゃい」といい声のご主人が出迎えてくれました。ロマンスグレーのダンディな御仁で、いわゆる「銭湯のおやじさん」というよりは喫茶店のマスター、といった印象。
ロビーにある小物もご主人の趣味を反映されたものなのか、お洒落な小物が多く感じられました。
サウナ込みで650円。「今日は空いてますよ」と親切に教えてくださり、近くの上越泉のおかあさんもそうでしたが、「会いたい人に会いたい」がために昭和湯さんに通うファンのかたも多くいらっしゃるだろうなと思いました。
上越泉のおかあさんは元気になるし、こちら昭和湯のご主人は気持ちを落ち着かせてくれます。
浴室内で印象的な、天へ登る鶴のタイル画
浴室内は大理石を使用しており、やはり和洋折衷のモダンさを感じさせます。
品質の良い井戸水を薪で沸かしてあるのが特徴らしく、清掃に力を入れているとのこと。
水風呂につかったときに全景を見渡せる設計になっており、2匹の鶴が太陽へ向かい登っていくタイル絵が素晴らしい出来です。女風呂のほうは南国を感じさせる熱帯魚だとか……。お見せできないのが残念。
浴槽の種類はジェット、マットバイブラ(気泡風呂)や、電気風呂も。
ちなみに筆者は電気風呂が苦手なのですが、こちらのツイートを参考に試してみたら少し入れるようになりました〜。
昨日KBS京都の『おやかまっさん』というテレビ番組で、電気風呂の入り方について取り上げていた😮。
— 原田 裕弘 (@jKRqQVoQBu93lvc) 2019年3月5日
僕も知らなかったが、初心者はまず電気風呂に入ったら⚡♨️一旦停止し、後ろ向きになりお尻から電気の流れる所に近づければ、怖がらずに浸かれるそうだ👍。
電気風呂が苦手な方にはオススメです😊。 pic.twitter.com/jtvSjNJe6u
後ろ向きに、痛覚を感じにくいお尻から。覚えておきたいものです。
サウナは無音、5分の砂時計のみ
サウナはガス遠赤外線で、7名は入れる広々としたつくり。
これも特徴なのですが、テレビもBGMもなく、ほかにお客さんがいない場合はほぼ無音となります。5分間をはかる砂時計のみです。
疲れているとき、何も考えたくないとき、逆に落ち着いて何かを考えたいときはいいかもしれません。
思えば銀座湯の記事を書いてから、昭和の建築におけるタイル絵画ブームについて自覚的になりましたし、もっと知りたいと考えるようになりました。
意識すると、その時代に建てられたであろう建築物の中に入った時に、より立体的に考えられるようになるのだな、というのも記事を書き続けていて気づいた発見です。
サウナを出てすぐの水風呂へ。この日は浴槽ふくめ9回ほどの交互浴をしましたが、細かな配慮として、浴室内男湯女湯を含めた中心の壁だけではなく水風呂付近でも時計が置かれているのを見つけました。
心地よくて時間感覚が溶ける場所こそ明確な物差しがあった方がいいと思っています。気づいたらこんな時間……、となってしまいますから。
こうした心遣いは嬉しいものです。
健康ランドのようなリラックススペースも
脱衣所に戻り服を着ていると、お客さん同士で「こんばんは」と声をかけあっている姿がみられました。50代以上の男性が多く入湯しており、ご主人と湯を介してやわらかいコミュニティが築かれているようです。
男湯入り口からは、はいってすぐ右手に、あえて照明を落としたリラックススペースが設けられています。
奥には大型テレビ、リクライニングソファが5つほど。
健康ランドのリラクゼーションスペースをミクロにした感じです。
天井には酉の市で購入したとみられる大きな熊手が男湯と女湯の境目に掲げてあります。
商売繁盛を願う気持ちは、ただ儲けたいという気持ちだけではうまく作用しないように思えます。
利用するお客さまの配慮込みでの良い銭湯さん、なんだろうなと思わされました。
今回もよいお湯屋さんでした( ´ ▽ ` )
銭湯概要
住所:東京都中野区野方1丁目21−1
営業時間:15時-25時
定休日:土曜日
料金:
入浴料
大 人 460円
小学生 180円
幼 児 80円
サウナ付き 650円
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