【読書記録】岡田尊司 氏著『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』
クリヤマ(@kuriyama1youth)です。どうもこんにちは。
たまにはマジメに最近「読んでよかった」読了本の紹介をしたいと思います。
カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書)
岡田尊司 氏著『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』
内容紹介
知っていれば、お互いラクになる。身近な人がアスペルガーだったら
「カサンドラ症候群」とは、カサンドラ症候群とは、ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調。
現在、明確な診断基準は定められていないが、発達障害の急増とともにカサンドラ症候群の症状を訴える人も増えている。
本書では、カサンドラ症候群の概要や症状、対処法について紹介する。内容(「BOOK」データベースより)
カサンドラ症候群とは、ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調。現在、明確な診断基準は定められていないが、発達障害への認知が広まるとともにカサンドラ症候群の症状を訴える人も増えている。本書では、カサンドラ症候群の概要や症状、対処法について紹介する。
著者について
●岡田 尊司:1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで、困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問。著書に、『愛着崩壊』(角川選書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『母という病』(ポプラ新書)など多数。小笠原慧のペンネームで『DZ』(横溝正史ミステリ大賞受賞、角川文庫)などの小説作品がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
岡田/尊司
1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
感想
男女問わず、発達障害のパートナーを持った者が読むべき本とサブタイトルで印象付けられてしまいがちですが、他の方のレビューを読むと医学者である岡田尊司さんの集大成とも言える本らしく、定型発達のかたでも、職場や友人関係などコミュニケーションに悩むかたにはおおいに薦められる本だと感じました。
対人関係トラブルは各人に固有の生き方がある訳ですから、交通事故みたいなもので、一方だけに非がある訳ではありません。
相手の特性と自分の特性を知り、距離感を都度測って最悪の事態が訪れるのを回避することに努めるのはきわめて重要だと改めて思いました。
また、他者同士の諍いについて安易に自分の意見を口を出すべきではない、と自戒に務めたいと強く思いました。自分の偏見によって争いが複雑化する場合もありますし、無責任なことは言えない。
カップルや家族、閉じられた環境であるからこそ起こるカサンドラの悲劇を避けるためには、男性側のPMS(月経前緊張症)や女性特有の症状への理解、またこれは男女関係なくパートナーの特性への理解に務める姿勢こそが大切なのだと思わされました。
想像力、寛容さと思いやり。言葉にすると陳腐かもしれませんが、それら言葉の定義について改めて考えさせられました。
それら感情表現をある種の道具としてみなし、いかに用いるべきか。こうした一見すると冷たい視点も穏やかな生活には重要なのかもしれません。
いま俺はカサンドラの状況に置かれていません。
現状カサンドラに苦しんでいる方には酷な内容でもあるかもしれないと思いますが、あるいは救いになるかもしれません。
そうでない方も、「愛着障害」「安全基地」「パーソナリティー障害」の概念について、知見を持ち、考え方を新時代に向けてアップデートする機会になる本になるのではと。
もしならぜひ。
カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書)